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高血圧の治療について

2010年10月15日 更新

血圧は130/85以下を目標にコントロールします。
ご高齢の方は140/85でも良いと思います。

体重管理を合わせて行います。

腎臓や血管の老化を防ぐ効果がある薬を優先的に使用します。

脳梗塞や心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症の
早期発見や予防に力を入れています。

体質によっては、昔ながらの利尿薬なども併用して
血圧を下げます。

同じ効果なら、なるべく安い薬剤を使用しています。
過半数の薬剤は、後発品です。

 

血圧の薬の種類
後発品
血管保護
説明
ACE
あり
効果有
ACEは、アンギオテンシン変換酵素阻害剤という薬剤です。血管を収縮させるホルモンを抑制し、血圧を降下させます。血管を保護する作用もあり、脳梗塞や心筋梗塞、慢性腎不全などの予防にもあります。当院では効果の強弱によって、2種類の薬を使い分けています。
ARB
なし
効果有
ARBは、アンギオテンシン受容体ブロッカーという薬剤です。ACEとほぼ同じ効果を持ちます。血管を保護する作用もあり、脳梗塞や心筋梗塞、慢性腎不全などの予防にもあります。また一部の薬剤は糖尿病を予防する作用もあります。当院では効果の強弱と、糖尿病の予防効果の必要性によって、2種類の薬を使い分けています。
DRI
なし
効果有
一番新しい種類の降圧薬です。当院では試験的に使用しています。基本的にはARBに準じます。
CCB
あり
効果無
CCBは、カルシウムチャンネルブロッカーという薬剤です。よく血圧は下がるのですが、一部の薬剤を除いて、血管を保護する作用はありません。当院では効果と作用時間によって、3種類の薬を使い分けています。狭心症や片頭痛の治療に使われることもあります。
利尿剤
あり
効果無
肥満気味の方、心不全がある方などに使用します。安価ですが、尿酸値が高くなってしまう欠点があります。心不全の治療にもなります。利尿薬にも大きく分けて3系統あり、当院でもその必要性に応じて3つの中から使い分けています。
α1B
あり
効果無
α1Bは、交感神経α1受容体ブロッカーという薬剤です。主にACEやARBが使用できない方に使用します。立ち眩みが出現しやすくなりますが、それ以外は余り心配なく使用できる薬剤です。少しコレステロールも下がります。前立腺肥大による尿閉を軽減する作用もあります。当院では目的に応じて3種類の薬を使い分けています。
β1B
あり
効果無
β1Bは、交感神経β1受容体ブロッカーという薬剤です血圧の変動の強い方や心不全の方に使用します。脈拍も遅くなります。ご高齢の方には副作用が出やすいので、注意して使用する必要があります。当院では目的に応じて3種類の薬を使い分けています。
その他
-
上記のような降圧剤だけでなく、条件によっては、安定剤や抗うつ薬を併用して治療することもあります。

 


  • 血圧は130/85以下になるようにコントロールします。高齢者については140/85でも良いと思います。

  • 今まで血圧が高かった方を急激に治療するとフラフラすることがありますので、半年くらいかけてゆっくり治療することがあります。

  • 腎臓や血管の保護作用のあるARB、ACEといった薬剤を中心に投与しますが、その方の心機能や腎機能、糖尿病の有無や喘息の有無、自律神経失調症の有無などで組み合わせは変わってきます。単に計測結果としての血圧を下げるのではなく、血圧を一日を通じて持続的に安定させることが重要で、脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病などの予防効果を一緒にもつ薬剤を選択して使用しています。メーカーの薦める最新の薬剤も良いのですが、昔ながらの利尿薬やベーター遮断薬、ACE、アルファー遮断薬にも、利点がありますので、症例によっては併用させていただいております。

  • 個人で血圧計を購入していただき、自宅での朝夕の血圧測定結果を目安に治療をしています。医院での血圧測定結果は、医院の待ち時間や緊張の度合いによってバラつきがあり、参考程度にしかならないと考えています。季節によっても血圧の変動があり、夏場は薬剤を減量することもあります。

  • また体重管理や塩分摂取量、睡眠時間などでも血圧は大きく変動します。薬剤だけに依存せず、そういった根本的な原因にまで掘り下げて、血圧の管理をすることが大切です。

  • 血圧のコントロールのみならず、網膜症、腎症などの合併症についても定期的に観察を行い、必要があればそれに対しても治療を行います。定期的に足の動脈の観察をしています(追加料金はありません)

  • また糖尿病、高脂血症や高血圧、高尿酸血症についても高血圧があるとより厳格はコントロールが必要にあります。将来的な脳梗塞や心筋梗塞の危険を軽減することも目標にしています。


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